対ロシア融和姿勢「転換」へと押し戻される「トランプ大統領」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2017年3月17日
エリア: 北米 ロシア
当初の思惑通りに進まず不満がつのるばかり(C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ大統領が1月20日に就任し、政権を始動させてから8週間が経過しようとしている。トランプ大統領は外交政策については、選挙キャンペーン中からロシアとの関係改善の必要性を再三訴えていた。だが、実際の米ロ関係は、いまのところトランプ大統領が描いていたような方向では進んでいないように映っている。

 トランプ大統領は2月28日に米議会上下両院合同本会議で「施政方針演説」を行ったが、従来までの対決姿勢を封印した結果、各種世論調査でも約8割の有権者が同演説を支持するとの結果が判明し、政権運営を立て直すきっかけになるかと思われた。

 ところが、「施政方針演説」の翌日の3月1日、大統領選挙キャンペーン中の昨年7月と9月の2度、ジェフ・セッションズ司法長官(当時は上院議員)がセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と接触していた事実を『ワシントン・ポスト』が報じ、セッションズ司法長官も認めた。問題となったのは、セッションズ氏が上院司法委員会の次期司法長官指名承認公聴会で、アル・フランケン上院議員(民主党、ミネソタ州選出)が問い質したロシアとの接触について完全否定していたことであった。宣誓した上で臨んだ指名承認公聴会での証言とは異なる事実が新たに発覚したことで、民主党の議員らは偽証罪に当たるとして、司法長官辞任を要求している。このため、司法省傘下の米連邦捜査局(FBI)をはじめとする捜査当局によるトランプ政権とロシアとの関係についての捜査から、セッションズ司法長官は身を引かねばならない状況に追い込まれている。

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執筆者プロフィール
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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