饗宴外交の舞台裏 (226)

「3年前のメニュー」との比較でも窺える「サウジ国王」の和食好き

執筆者:西川恵 2017年3月23日
エリア: 中東 アジア
夕食会の挨拶にも日本と皇室への深い尊敬の念がにじみ出ていた(C)時事

 

 王族、随員、企業関係者など1000人以上を従えて来日(3月12日~15日)したサウジアラビアのサルマン国王(81)。めったに外遊しない同国の国王としては、1971年のファイサル国王以来46年ぶりの来日だった。

 国王の来日はふつう国賓や公賓といった儀礼的要素が強い形式となるが、今回、サルマン国王は実務協議が目的の公式実務訪問賓客の資格で来日した。

 しかしサウジを含め中東の王室は、長い歴史と伝統をもつ日本の皇室に強い尊敬の念を抱いている。これを知る日本側も政府と皇室が巧みに役割を分担し、儀礼的側面もしっかりフォローした。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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