フランス大統領選「極右」ルペンの実像(1)父ジャン=マリーの「変身」

広岡裕児
執筆者:広岡裕児 2017年4月14日
エリア: ヨーロッパ
「極右」と見られるその実像とは(C)AFP=時事

 

 4月23日に第1回投票が行われるフランスの大統領選挙には、マスコミで連日取り上げられる有力候補5人のほかに6人が立候補している。4月4日、この全11候補が一堂に会したテレビ討論会が行われた。

 極右政党「国民戦線」(FN)党首のマリーヌ・ルペン(48)大統領誕生でBREXIT(英国のEU離脱)につづいてFREXIT(フランスのEU離脱)か? いよいよEU崩壊か? と言われる。だが、この日激しくFREXITを唱えたのは、いわゆる泡沫の元財務省監査官フランソワ・アスリノー候補(59)だった。

 ルペン候補のマニフェストには、国家主権回復のためEUおよび加盟各国と交渉した後にEUへの所属についての国民投票をする、とだけ書かれている。この日も、その考えを繰り返した。これに対してアスリノー候補は、「キャメロン(英前首相)のマニフェストだ」と批判した。たしかに、主権回復とは国境検査の復活や共通通貨ユーロからの離脱、難民受け入れ拒否などで、すでに英国では実現しており、キャメロン前首相はその上にたって自国に有利な要求をつきつけて妥協を引き出し、国民投票をしたのだった。ただし、EU残留のために。

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執筆者プロフィール
広岡裕児 1954年、川崎市生まれ。大阪外国語大学フランス語科卒。パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーベル)留学後、フランス在住。フリージャーナリストおよびシンクタンクの一員として、パリ郊外の自治体プロジェクトをはじめ、さまざまな業務・研究報告・通訳・翻訳に携わる。代表作に『エコノミストには絶対分からないEU危機』(文藝春秋社)、『皇族』(中央公論新社)、『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』(新潮選書)ほか。
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