北朝鮮有事:「日本国民」に「覚悟」はあるか

林吉永
執筆者:林吉永 2017年4月14日
エリア: 北米 朝鮮半島 日本
朝鮮半島海域に急行する、空母カール・ビンソン(中央)を中心とした空母打撃群 (c)AFP=時事
 

 

 4月11日、外務省は、韓国渡航および在住者に対し、朝鮮半島情勢に関する情報への注意を呼び掛けた。理由は、北朝鮮が弾道ミサイル発射・核実験をくりかえしているからである。

「費用対効果」で導かれた北の軍備

 北朝鮮の陸軍は、戦闘員を肩が触れる密集隊形で、東西距離約248kmの38度線に並べると、「1列25万人の横隊」が4列できる。北朝鮮陸軍は、約52万人の米韓陸軍に対する優勢を利し、韓国予備役約320万人の動員前に38度線を越え、半島を南進する電撃作戦に投入されるだろう。
 海軍は、艦艇240隻・約21万トンの韓国海軍に比べ外洋戦闘に適さない780隻の艦艇・約10万トンと劣勢だが、近年、2000トン級潜水艦(隻数不詳)からの弾道ミサイル発射成功によって、地上の移動発射型弾道ミサイル同様の脅威となった。
 空軍は、第4世代戦闘機MIG-29・18機、第3世代戦闘機MIG-23・56機、亜音速攻撃機SU-25・34機など、旧式作戦機が多数の約560機を保有しているが非力である(以上、数値は2016年版『防衛白書』より)。
 
 このように見ると、北朝鮮が費用対効果を考慮し、反体制の行動に利用される恐れがある、しかも経費のかさむ艦艇や作戦機の整備を避け、弾道ミサイルやABC兵器の開発を選択したことが理解できる。その結果、北朝鮮は「攻撃は最大の防御」戦略を定着させたのである。

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執筆者プロフィール
林吉永 はやし・よしなが NPO国際地政学研究所理事、軍事史学者。1942年神奈川県生れ。65年防衛大卒、米国空軍大学留学、航空幕僚監部総務課長などを経て、航空自衛隊北部航空警戒管制団司令、第7航空団司令、幹部候補生学校長を歴任、退官後2007年まで防衛研究所戦史部長。日本戦略研究フォーラム常務理事を経て、2011年9月国際地政学研究所を発起設立。政府調査業務の執筆編集、シンポジウムの企画運営、海外研究所との協同セミナーの企画運営などを行っている。
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