トランプ大統領の意思を「忖度」するヘイリー米国連大使

鈴木一人
執筆者:鈴木一人 2017年4月27日
エリア: 北米
アメリカ外交を切り回している? ヘイリー米国連大使 (c)AFP=時事

 

 国連安全保障理事会の議長国は月ごとにアルファベット順のローテーションで変わり、今年4月の議長国はアメリカである。これまで「アメリカ第1主義」を掲げ、国連に対する拠出金の大幅削減を主張し、国連や多国間外交を毛嫌いしてきたアメリカのトランプ政権が、どのような国連外交を展開するのか、期待と不安の入り交じる形で4月を迎えることとなった。

 安保理は、紛争地帯での情勢変化や、北朝鮮のミサイル発射のような突発的な出来事に対応することが多いため、1カ月ローテーション制の議長国が主導して何かを進めることは容易ではない。その意味では、どの国が議長国を担うのかはあまり大きな問題ではない、と見ることも出来る。しかし、議長国によって安保理を緊急招集するかしないかの判断が分かれたり(たとえばロシアが議長国の場合、シリア問題での緊急招集を避けるなど)、報道向けの声明や記者会見などは安保理を代表して議長国が行うため、国際社会に向けてのメッセージに議長国なりのニュアンスを込めることも出来る。その意味で議長国がどの国であるのかというのは、意外に重要である。

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執筆者プロフィール
鈴木一人 すずき・かずと 北海道大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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