「鄭成功」「八田與一」「蒋介石」――台湾「歴史評価」の難しさ

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2017年6月20日
エリア: 中国・台湾 日本
何者かに頭部を切断された八田與一氏の銅像。現在は頭部も修復されている(関係者提供)(C)時事

 

 日本の台湾統治時代の日本人技師で、当時アジア一の規模とされた「烏山頭水庫」という巨大ダムの建設を指揮し、台湾南部の農業を変革した功労者として現在も台湾社会から深く尊敬されている八田與一氏の銅像が、4月上旬、頭部を切り落されるというショッキングな方法で破壊された。

 1886年生まれの八田與一は石川県出身で、東京帝国大学で土木を学び、台湾総督府に就職する。周囲の反対を押し切ってダムの建設を推進し、水源不足に悩んでいた台湾南部の農業を穀倉地帯に一変させた。1942年にフィリピンに派遣される途中に船が撃沈されて亡くなったが、台湾南部の民衆が八田與一を懐かしみ、戦前に自費で造った歴史的な銅像が、今回壊されたのだった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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