医療崩壊 (2)

「若き勤務医」が取り組む日中「貧血対策」の民間研究

執筆者:上昌広 2017年7月3日
復旦大学との合同会議。右から4人目が山本佳奈医師、5人目が赵根明教授、7人目が森田知宏医師(筆者提供)

 

 前回、公的研究の削減が続く我が国で、「税金に頼らない『自由な民間研究者』を育成すること」の必要性を述べた(2017年6月6日「医療崩壊」第1回参照)。

 今回は、我々の活動の一環をご紹介したい。我々は、上海の復旦大学との交流を続けている。きっかけは、前回、ご紹介したとおりだ。

 6月の1カ月間、相馬中央病院の森田知宏医師と南相馬市立総合病院の山本佳奈医師が、共同研究のために短期留学した。受け入れてくれたのは、公衆衛生大学院の赵根明教授だ。

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執筆者プロフィール
上昌広(かみまさひろ) 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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