【ブックハンティング】あえて日本人に問う「中国社会の幸福感」

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2017年8月25日
エリア: 中国・台湾 日本

 元同僚の仕事はやはり気になる。5月に刊行され、手元にはあったのだがなかなか読む時間がなく、お盆の時期に目を通すことができた。

 林望著『習近平の中国――百年の夢と現実』(岩波新書)は、タイトルの通り、習近平体制になってからの中国を朝日新聞中国総局の特派員として見つめ続けた著者が、特派員の任期を終えて米国での留学という充電期間のなかで、満を持して書いた1冊である。   

 何度も一緒に働いたことがあるので、著者の丹念で生真面目な性格はよく知っているが、その性格そのままの筆致で、習近平体制の事実上の始まりとなった薄熙来事件から、日中関係、習近平の反腐敗闘争までを、丁寧に漏れなく描き出している。新書として、多くの読者に「習近平時代とは」という問題を考えてもらうのに格好の教科書になるだろう。

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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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