「世界一危険」な台湾「ロケット花火祭り」を体験!

執筆者:野嶋剛 2018年3月8日
タグ: 中国 台湾 日本
エリア: アジア
まるで火事の現場か戦場のよう(筆者のYouTubeより。視聴の際は激しい点滅と爆音に注意)

 

 3月1日、台湾南部の台南市塩水で行われた「塩水ロケット花火祭り」(3月1~3日)に出かけた。発射されるロケット花火の総数は60万発、放たれる爆竹は数え切れない。「台湾で1番危険なお祭り」「世界10大危険イベント」などと評される激しいお祭りで、近年、台湾内外の人気を集めており、人口3万人の小さな町に台湾中から数十万人の怖いもの知らずが駆けつけるほどの過熱ぶりである。

疫病落としの縁起かつぎ

  塩水は「意麺」と呼ばれる乾燥麺の産地として知られる古い港町。お祭りは、新年の最初の満月にあたる元宵節に行われ、夕方から翌日未明まで続く。古くは町で流行したコレラなどの疫病落としの縁起をかついで始まったもので、町中を練り歩く神様に向けてロケット花火を打ち込むことで、疫を神様に預けてしまおうという願いが込められている。もともとは爆竹だったのが、いつの間にかより派手なロケット花火に切り替わったところが台湾らしい。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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