米中「貿易紛争」の行方(下)中国の切り札は「大豆」「原油」「LNG」
米トランプ政権が中国に仕掛けた貿易紛争は、米国にとって知財輸出の伸び悩みと中国の半導体産業の台頭への警戒が引き金になったことを(上)で解説した。では、中国はどう対抗するのか。その鍵は、米国産の大豆、原油、液化天然ガス(LNG)が握っている。米国の政権がどう変わろうと、この3つの1次産品こそ2020年代の米国の輸出、ひいては経済を支える商品であり、最大の購入者は中国であるからだ。1980年代以降の日米貿易摩擦では、日本は自らの購買力を利用して対米交渉を有利に導くことができず、半導体産業の衰退を招いた。中国が1次産品の購買力をどこまで使い切れるかが、米中貿易紛争の帰趨と中国産業の将来を決める可能性が高い。
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