マレーシア新政権「92歳マハティール」は経済再生できるか

執筆者:樋泉克夫 2018年6月6日
エリア: アジア
国民的人気が異常に高い92歳のマハティール首相。だが、政権を揺るがす火種は少なくない (C)EPA=時事

 

 5月9日に投開票されたマレーシア総選挙において、野党の「希望連盟(PH)」が、選挙後に加入した独立系候補と事実上の同盟関係にある「サバ伝統党(WARISAN)」を加えて124議席を獲得し、与党「国民戦線(BN)」の79議席を大幅に上回った。またPHは、下院定数の222議席の過半数を押さえ、1957年の独立以来、政権を掌握し続けてきたBNを破り、初の政権交代を実現させた。選挙期間中の公約に従って、PHを率いたマハティール・ビン・モハマド元首相(第4代:在任は1981~2003年)が政権に返り咲き、92歳の世界最高齢の首相が誕生したのである。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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