大腸、肝臓、脾臓、リンパ節組織、胎盤など、人体の数々の組織からさまざまなマイクロプラスチックやナノプラスチックが検出されている (C)REUTERS/Gustavo Graf

[ロイター]患者個々のリスク要因を考慮した後でも、頸動脈のプラークからプラスチック片が見つかった患者は、3年間以内に心臓発作や脳卒中を経験したり死亡したりするリスクが4.5倍高かった。また、プラークの組織中からマイクロプラスチックやナノプラスチックが見つかった患者は、アテローム性動脈硬化や心不全に関与することが知られている炎症性タンパク質の血中濃度が高かった。プラスチックの種類はポリエチレンや、塩素を含むポリ塩化ビニルが含まれ、破片の縁はギザギザしていた。

 論文は3月6日、学術誌『The New England Journal of Medicine』に発表された。ナポリのカンパニア大学教授ラファエル・マルフェラ氏が率いるイタリアの研究チームは「ポリエチレンやポリ塩化ビニルといったプラスチックは、さまざまな形態で食品や化粧品容器、水道管など多種多様な用途で使われている」と論文で述べた。また、こうしたプラスチックが微小化したマイクロプラスチックは、飲料水や食品、化粧品製品、さらには空気の中から見つかっていると指摘した。

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