月刊の国際政治経済情報誌として1990年3月に誕生した『フォーサイト』は2010年9月にWEB版として生まれ変わり、この9月で10周年を迎えました。

 これを記念し、月刊誌の時代から『フォーサイト』にて各国・地域・テーマの最先端の動きを分析し続けてきた常連筆者10名の方々に、この10年の情勢の変化を簡潔にまとめていただきました。題して「フォーサイトで辿る変遷10年」。平日正午に順次アップロードしていきます(筆者名で50音順)。

 第8回は【インテリジェンス】春名幹男さんです。

 

 21世紀の米国の戦略的失敗。それは中国とロシアの関係緊密化を阻止できなかったことだ。さらに、世界をリードしてきた自由陣営に中露が挑戦する時代の到来も世界最強の米インテリジェンス機関は予測できなかった。

 中露が今後も世界で米国と覇権を競うのは必至。しかし、ドナルド・トランプ米大統領が再選されれば、中露に対抗する「自由主義陣営」の隊列は構築できないだろう。

 このように世界の戦略地図を一変させる分水嶺となったのは2014年のことだ。

 米国の17情報機関を束ねる国家情報長官(DNI)が毎年1月に上院情報特別委員会に提出していた「世界脅威評価」報告書の2014年版と2015年版を比較するとその前後で情勢が激変したことが分かる。

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