インテリジェンス・ナウ
米情報コミュニティと全面対立:トランプ次期大統領、本音は「逆ニクソン」か

当選の正当性にも、大統領としての資質にも疑問符がつくのか (c)EPA=時事
ロシアはトランプ氏を当選させるため米大統領選に向けて、サイバー攻撃を敢行した――。
17の米情報機関で構成されるインテリジェンス・コミュニティ(IC)が出した、こんな分析結果をめぐって、トランプ氏がICとの対立を深めている。
実は、次期米大統領は政権移行期間中に毎朝、現職大統領と同じ内容の「大統領日報(PDB)」に関する説明を国家情報長官(DNI)事務所の分析官から、聞くことになっている。しかし、トランプ氏はこれを拒否し、週1回だけしか聞いていないことが明らかになった。PDBは、ICを束ねるDNI事務所が大統領のために最新の世界情勢をまとめて毎日行う極秘報告のことである。
トランプ氏がこんな形で情報機関と対立する理由は何か。両者間の異常な関係の裏に、複雑な戦略的問題が隠されているようだ。

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