インテリジェンス・ナウ

米大統領選「郵便投票」で大混乱の恐れ:飛び交うトランプ大統領の「陰謀説」

執筆者:春名幹男 2020年8月18日
エリア: 北米
デジョイ郵政公社総裁(写真)の任命は、トランプ大統領の論功行賞か、郵便投票阻止の策略か(米郵政公社HPより)

 

 ドナルド・トランプ大統領が再選をかけた11月3日の米大統領選挙。インテリジェンス的にも、最も注目されるのは、トランプ陣営がどんな戦略で臨むか、だ。

 前回の2016年米大統領選挙では、8月の時点で既に、共和党のトランプ候補を当選させるためのロシアの秘密工作が活発化していた。

 ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)による米民主党本部などへのサイバー攻撃で電子メールを窃取したほか、ロシア工作員はトランプ陣営とも接触。さらに「フェイスブック」などSNSで民主党候補ヒラリー・クリントン元国務長官を中傷する投稿が続いた。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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