首相職務停止となったプラユット氏(C)AFP=時事

 

 8月24日、タイの憲法裁判所はプラユット・チャンオチャ首相の任期が憲法で規定されている「上限8年」を超えたかどうか判断する間、プラユット首相の職務を一時的に停止することを決定した。当面はプラウィット・ウォンスワン第一副首相が首相代行を務める。但し、憲法は首相任期のみを規定していることから、プラユット氏は兼任している国防相は継続して務める。つまり内閣から外れるわけではなく、閣僚の一員ではあり続けるわけだ。

憲法裁判所が”超法規的判断”の可能性も

 プラユット氏は国家平和秩序評議会議長として2014年5月にクーデターを主導し、同年8月25日に暫定首相に就任した。同クーデター後に制定された現行憲法では「首相任期上限8年」という規定があり、暫定首相就任時から起算すると今月24日で「上限8年」の任期に達していたことになる。

 これに対し政府側は憲法が施行された2017年4月、もしくはプラユット氏が選挙を経て正式に首相に任命された2019年6月から起算して「上限8年」であるとの立場を崩さず、野党側と対立が続いていた。

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