いかに大切なものであろうと、これほど長期間の不在が続けば、存在自体のありがたみが薄れてしまう。それが恋人なら、新しい出会いを探ればいい。だが、いなくなったのが「政府」だったら、どう代わりを探すか。
南北対立に小党乱立も相まって組閣ができず、暫定内閣の状態が続いていたベルギーで、ワロン系の社会党(PS)のエリオ・ディルポ党首が5日夜、国王から首相指名を受けた。この間の「無政府」の状態は、昨夏の総選挙以来、540日に及ぶ。やはり昨年の総選挙以降組閣まで二百数十日間を要したイラクをとっくに抜き去って、世界一の不名誉記録を更新していた。
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