饗宴外交の舞台裏 (175)

日本文化を支えた大使夫人の活動――栗山昌子さんの「ミミ・サロン」

執筆者:西川恵 2012年12月17日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 アジア
 「ミミ・サロン」参加者のアルバムを開く栗山昌子さん(筆者撮影)
「ミミ・サロン」参加者のアルバムを開く栗山昌子さん(筆者撮影)

 大使夫人の活動は一般に知られていない。しかし任地で創意工夫を凝らし、幅広い交流と人脈を築き、夫の仕事に貢献している人も少なくない。これは日本外交にも有形無形の財産として跳ね返っているのである。

 元駐米大使、栗山尚一氏の夫人の昌子さんはダイナミックで活動的な外交官夫人として知られている。初めて大使夫人として暮らしたのはマレーシア(1985-87年)だった。マレーシアについての知識がまったくなかった昌子さんは、赴任前、多忙な夫に代わって1カ月間、外交研修所に通い、マレー語とマレーシア事情の講義を受けた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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