アベノミクスvs.アソウノミクス

執筆者:磯山友幸 2013年1月31日
エリア: アジア
 安倍氏(右)と麻生氏(中央)の路線が衝突するのは時間の問題?(c)時事
安倍氏(右)と麻生氏(中央)の路線が衝突するのは時間の問題?(c)時事

 第2次安倍晋三内閣が発足して1カ月が過ぎた。政権が正式に発足した12月26日の前日である12月25日の日経平均株価終値は1万80円だったが、1カ月を経た1月30日には2年9カ月ぶりに1万1000円台を回復した。円相場は政権発足前日に1ドル=84円74銭だったものが、1月28日には一時1ドル=91円台に乗せた。株高と大幅な円安はともに、安倍首相が掲げる経済政策、いわゆる「アベノミクス」を先取りした動きである。

 安倍首相は就任以来「経済再生」を政策の柱に据え、大胆な金融緩和と機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の3つを同時に展開する方針を示している。安倍首相言うところの「3本の矢」である。中でも「大胆な金融緩和」はアベノミクスの主軸とも言える。もともと安倍氏が首相就任前からこだわっていたのが、この「大胆な金融緩和」なのだ。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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