習近平夫人の「ただ者ではない」ファッション

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2013年3月27日
カテゴリ: 文化・歴史
エリア: 中国・台湾

習近平・中国国家主席の外遊に同行している彭麗媛夫人(50)の評判がすこぶるいい。いままで中国指導者の夫人はどこか地味な印象を持たれることが多かったが、歌手である夫人がそばに立つと、ごついタイプの習氏がぐっと柔らかく感じられるから不思議だ。

中華人民共和国成立以後、国際舞台で初めて脚光を浴びる「第一夫人(ファーストレディ)」ということになるが、周到に考え抜いたファッションには感心させられる。私の見たところ、彭夫人はとにかく頭のてっぺんからつま先まで服装には徹底的にこだわる人のようだ。ロシア外遊で最初に空港に降り立ったときの服装が「ただ者ではない」と思わせるほど出色で、意図するところを読み解くのが面白かった。

まず、ボタンが2列にならんだ大きな襟はかつて民国初期に中山服と共に流行したレーニン服風だ。ロシアの前身であるソ連の歴史への敬意を示したものと考えられる。青いスカーフは、同じ青いスカーフをしていた夫との関係の良さ、そして夫に対する従順さをアピールしている。軍服にも見える紺色のコートは人民解放軍の歌手という自分の出身と、党中央軍事委員会主席である夫の立場にも配慮したものだ。スカート、ストッキング、靴はいずれも保守的な黒でまとめた。黒を着こなす優雅さと気品をアピールしていた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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