日銀「異次元緩和」で新局面に入った円安株高

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2013年4月11日
エリア: 日本
 フリップを使って説明する黒田総裁 (C)時事
フリップを使って説明する黒田総裁 (C)時事

  安倍晋三内閣の発足からちょうど100日目の4月4日、日本銀行は黒田東彦総裁の下で開かれた初めての金融政策決定会合において衝撃的な決定をした。アベノミクスが掲げる3本の矢の「第1の矢」である大胆な金融緩和を全面的に支持する発言を繰り返してきた黒田氏のデビュー戦とあって、事前に市場の期待は大きく膨らんでいた。それだけに、決定会合では「もはやサプライズは起きない」という見方が多かった。

 ところがである。会合での決定を聞いて、市場関係者ばかりか金融専門家までもが度肝を抜かれた。とくに日銀が供給する資金の量であるマネタリーベースを「2年間で2倍にする」という発表は、いわば量的緩和の結果を測る数値自体を“目標”にしてしまったようなものだけに、驚きだった。決定会合の後に開かれた会見で黒田総裁は「量的にみても、質的にみても、これまでとは全く次元の違う金融緩和だ」と胸を張った。

 政界きってのリフレ派として知られる自民党の山本幸三議員は政策決定会合の前日にロイターが流したインタビューの中で、「現在145兆円のマネタリーベースを160兆-170兆円に増やしていく必要がある」と述べていた。山本議員は、金融緩和の不十分さを長年指摘し続け、安倍氏にも大きな影響を与えてきた。その山本氏ですらマネタリーベースを2割増やせというにとどまっていた。日銀の発表したマネタリーベースを2倍にという政策が、アベノミクスを構想している人たちからみてもいかに「異次元」と言えるものだったかが分かる。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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