安倍晋三内閣の発足からちょうど100日目の4月4日、日本銀行は黒田東彦総裁の下で開かれた初めての金融政策決定会合において衝撃的な決定をした。アベノミクスが掲げる3本の矢の「第1の矢」である大胆な金融緩和を全面的に支持する発言を繰り返してきた黒田氏のデビュー戦とあって、事前に市場の期待は大きく膨らんでいた。それだけに、決定会合では「もはやサプライズは起きない」という見方が多かった。
ところがである。会合での決定を聞いて、市場関係者ばかりか金融専門家までもが度肝を抜かれた。とくに日銀が供給する資金の量であるマネタリーベースを「2年間で2倍にする」という発表は、いわば量的緩和の結果を測る数値自体を“目標”にしてしまったようなものだけに、驚きだった。決定会合の後に開かれた会見で黒田総裁は「量的にみても、質的にみても、これまでとは全く次元の違う金融緩和だ」と胸を張った。
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