新たな「台湾問題」に直面するアメリカと中国

執筆者:伊藤正 2005年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾 北米

陳水扁は、さらに中国との対決姿勢を強めるだろう。反「独立」では協調し得た米中の利害が、このまま一致し続ける保証はない。[北京発]台湾の国会に相当する立法院選挙で、陳水扁総統の「台湾独立」構想を批判する野党連合が過半数を維持した。憲法を改正し、二〇〇八年に住民に独立の是非を問うという陳総統のもくろみは、大きく後退せざるを得なくなった。 この選挙結果を中国指導部が歓迎しているのは間違いない。実際、中国の台湾問題専門家らは「台湾民意の主流は平和、安定、発展を求め、中台関係の現状維持を望んでいる表れ」(北京聯合大学台湾研究所の徐博東所長)とし、陳水扁総統の「性急な独立志向」への警戒心が高まった結果との見方を示した。大陸との関係安定を主張する国民党の十三議席増は、その象徴というわけだ。 しかし、中国政府は総じて控えめな反応にとどめている。共産党機関紙「人民日報」はじめ主要な官報メディアの選挙結果報道は、ベタ記事扱いに近かった。与党連合は目標の過半数を得られなかったが、陳水扁氏が「独立」を放棄することはないとみているからだ。陳氏は〇四年春の総統選での再選に続き、今回も陳氏率いる民進党が九議席伸びたように、「独立」の基盤は根強いのである。

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