安倍政権の「歴史認識」は日米間でも「火種」に

執筆者:野々山英一 2013年5月17日

「従来の書きぶりとは明らかに違う。読んでみて、愕然とした」

 自民党幹部がつぶやきながら手にしているのは、米議会調査局が今月1日にまとめた報告書だ。英文で30数ページに及ぶ。報告書は、それぞれの問題について専門家が調査して作成。世界に公表されている。

 

「ストロング・ナショナリスト」

 5月14日、参院予算委員会集中審議を終え、疲れた表情の安倍首相 (C)時事
5月14日、参院予算委員会集中審議を終え、疲れた表情の安倍首相 (C)時事

 報告書の内容は、確かに刺激的ではある。安倍晋三首相の歴史認識についての言動が「地域の国際関係を混乱させ、米国の国益も害する恐れがある」と指摘。安倍氏を「ストロング・ナショナリスト(強固な国粋主義者)」と断じているのだ。

 報告書は、米政府や議会の公式見解ではない。ただ政府や議会指導部が、内外にメッセージを発信するため、この報告書を利用することも少なくない。米側の意思が間接的に示された文書だ。

 安倍氏は確かに米国では「ストロング・ナショナリスト」と位置づけられている。ニューヨーク・タイムズ紙も安倍政権の政治姿勢を「不必要なナショナリズム」と論評している。

 安倍氏は昨年末に、首相に就任してからも、侵略によってアジア諸国に損害を与えたことを謝罪する村山富市首相談話(1995年)について「安倍内閣は談話をそのまま継承しているわけではない」と発言。

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