「今じゃないでしょ!」北朝鮮の「巨大スキー場」建設

平井久志
執筆者:平井久志 2013年7月11日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 朝鮮半島

 今年5月27日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」を見て驚いた。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の現地指導が1面、2面にわたり報じられたが、驚いたのは現地指導の対象が、朝鮮人民軍が北朝鮮南東部・江原道の馬息嶺(マシンリョン)に建設している広大なスキー場だったことだ。

 馬息嶺は日本海側の主要都市・元山の奥にある山間部だ。ここに数十万平方メートル、総延長110キロメートルに達する、幅40メートルから120メートルのスキー場を建設していることが、この報道で確認された。普通であれば10年掛かる工事を、軍人たちが1年にも達しないうちにやり遂げたという。

 労働新聞は「わが人民に文明的で幸福な生活条件を準備されるために心遣いされた敬愛する最高司令官同志におかれては、雪がたくさん降り、スキー場として適した地帯である馬息嶺に、自慢すべきスキー場を建設することを直接提起し、その課題を人民軍に下された」とした。このスキー場建設工事は金正恩第1書記が直接指示したものなのだ。

 金正恩第1書記は「勇敢さと敏捷性を育むスキーは、専門選手だけでなく、子どもから大人まで皆が好むスポーツである」とし「馬息嶺スキー場が完成すれば全国にスキーブームが起こるだろう」と語ったとされる。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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