コンピ地獄

執筆者:藤沢数希 2013年9月14日
 財産がどんどん減っていく by Images Money
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 前回、「ある程度の所得があるサラリーマンが離婚する際の支払い金額が、簡単に全財産を上回ることになる」と指摘した。そして、そのカラクリは婚姻費用にある。

今回は、この婚姻費用がどういうものか、そして婚姻費用があるために、なぜまともな仕事をして、ある程度以上の所得がある仕事人が離婚する際には、往々にして全財産を超える金銭を支払わされることになるのか、そのカラクリを解説しよう。

 民法の規定により、夫婦は相手の生活を自分と同じレベルで維持し、夫婦の資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する義務があるとされている。これが婚姻費用の法的根拠であり、具体的には、夫婦間でより稼いでいる方(通常は夫だが、法律は当然だが男女平等なので妻の場合もある。以下の文章では夫の所得が妻より多いと仮定)が、そうでない方に毎月一定の金額を支払う義務があるのだ。弁護士業界では、略して「コンピ」と呼ばれている。

 それでこのコンピの計算方法だが、実は夫の所得(会社員と自営で違う)、妻の所得、子どもの数と年齢だけから、家庭裁判所でほぼ機械的に決まるのだ(判例タイムズ1111号-『簡易迅速な養育費等の算定を目指して』-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案-)。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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