「国家戦略特区」新聞ではわからない「水面下バトル」の構図

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2013年10月28日
エリア: 日本
 15日に開会された臨時国会中の成立を目指す (C)時事
15日に開会された臨時国会中の成立を目指す (C)時事

 安倍晋三首相が規制改革の突破口と位置づける「国家戦略特区」の原案がまとまった。「医療」「雇用」「教育」「都市再生・まちづくり」「農業」「歴史的建築物の活用」の6分野について、首相主導で地域を絞って規制改革を実施する。法案を11月上旬に閣議決定し、臨時国会中に成立させる方針だ。

 6月に閣議決定した成長戦略に盛り込まれた国家戦略特区の創設は、所管省庁や関係団体の抵抗が激しい「岩盤規制」に風穴を空けることに照準が合わせられた。八田達夫大阪大学招聘教授ら民間人5人からなる「国家戦略特区ワーキンググループ」(座長・八田教授)を内閣官房に置き、民間や地方自治体からの提案をベースに原案づくりが進められてきた。

 ワーキンググループで最終案として残ったのは7分野15項目。地方議会が議員の被選挙権年齢を独自に決められるようにする案は、全国一律の制度にこだわる総務省の強い抵抗で見送られ、今後、全国一律の制度改正として調整していくことになった。

 そして絞り込まれた6分野の中で早い段階から原案入りが固まったのは、「都市再生・まちづくり」や「歴史的建築物の活用」。前者は特区内のビル容積率の緩和などが柱で、後者は古民家などの歴史的建造物を宿泊施設やレストラン、サテライト・オフィスなどに有効活用できるようにしようというもの。ワーキンググループでの議論が本格化する段階で2020年の東京オリンピック開催が決まったことで、より強固な「大義名分」ができたとも言える。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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