「一夫一妻制」は自然な形なのか?

執筆者:藤沢数希 2014年3月8日
カテゴリ: 文化・歴史

 人間というのは言うまでもなく動物の一種である。そうであるならば、人間社会を縛ろうとしている結婚制度という法規制を考える前に、動物としてのヒトの繁殖と配偶システムはどういったものであったのかを考えるのは有益だろう。そもそもヒトという動物は一夫一妻制が自然な形なのだろうか? 多くの哺乳類の動物は、一夫多妻的な社会を形成している。シカのオスは角を突き合わせて他のオスと闘争する。こうした戦いに勝ったオスは何頭ものメスのハーレムを所有する。ゾウアザラシのオスは、平均すると体重がメスの約7倍もあり、オス同士が海のなかで牙をむき出し血みどろの戦いを演じる。勝ったゾウアザラシのオスは何十頭ものメスのハーレムを得ることになる。そして、そのハーレムを狙う他のオスに殺されるまで戦い続ける。昆虫のクワガタムシでさえ、樹のいい蜜が出る陣地を巡って他のオスと大きなハサミで戦う。こうしていい蜜を手に入れたオスがメスと交尾する。 ヒトに近いゴリラやチンパンジーはどうだろうか。ゴリラはゾウアザラシに近い婚姻形態である。つまり、体の大きい強いオスがケンカに勝ち、ハーレムを手に入れるのだ。よって、ゾウアザラシと同じように、オスの体は戦いで少しでも有利になるように、メスの体よりもはるかに大きくなるように進化した。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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