軍事介入はロシアにとって「得」か「損」か

国末憲人
執筆者:国末憲人 2014年3月4日
 クリミア半島のセバストポリではすでにロシア軍がウクライナ海軍の施設を封鎖している (C)EPA=時事
クリミア半島のセバストポリではすでにロシア軍がウクライナ海軍の施設を封鎖している (C)EPA=時事

 ウクライナ情勢が急変を続けている。ロシアの大規模な軍事介入は起きるのか。しばらく膠着状態が続くのか。判断は難しいが、現地3月3日未明までの状況を見る限り、ロシアは介入の準備を整えつつ脅しと挑発を続け、ウクライナ新政権と欧米諸国の出方を見ている段階だ。あわよくば、侵攻なくしてクリミア半島を支配下に置くことも視野に入れているように見える。

 ウクライナで親欧米政権を生むきっかけとなった2004年の「オレンジ革命」を教訓とするプーチン政権は、今回強硬手段に訴える可能性が強い。一方で事態を軟着陸に持ち込む道も、まだ残っていると見る。ウクライナ側が挑発に乗らず、賢明にも国家の統一を保つことができれば、の話であるが。

 事態打開の鍵は、意外にウクライナ側が握っているのかも知れない。

 

軍事介入によって得られるもの

 3月1日、ロシアのプーチン大統領は上院から軍事行動の承認を取り付け、緊張が一気に高まった。翌2日、クリミア半島でのロシア軍の増強は続き、ウクライナの軍施設を封鎖したとも伝えられる。半島でロシアの実効支配が明らかに進んでいる。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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