「恋愛市場」と「結婚市場」で異なる市場原理

執筆者:藤沢数希 2014年3月15日
カテゴリ: 文化・歴史

 前回、主に生物学的な観点から「ヒト」の配偶システムとは本来どういったものかを考えた。 いま我々が当たり前に思っている、民主主義も法治も食料や便利な科学技術に溢れた社会も、数万年以上もある人類の歴史のなかでは、ごく最近現れた非常に特異なものでしかない。よって、ヒトの本能は、長らく続いたサバンナの狩猟採集時代に進化を通して作られている。我々現代社会の人間も、石器時代の人間も、心の動きに関してはほとんど変わらず、石器時代の子供を現代社会に連れて来れば、おそらく、ふつうの子供として成長し、現代人と同じように成人していくはずなのである。 生物学的には、メスに対するオスの身体の大きさ、オスの体重に対する精巣の重さの比で考えると、ヒトは他の霊長類から類推して、緩やかな一夫多妻制の種族であるようだ。また、文化人類学者による世界中の社会の研究では、やはり圧倒的多数が一夫多妻的な配偶システムを採用していたことがわかった。 現代社会で一夫一妻が絶対的な善のように考えられ、そうした法制度が作られたのは、やはり、世界中で先住民を虐殺して、世界の覇権を握ったキリスト教徒たちの価値観が大きいのかもしれない。日本をはじめ、世界の非キリスト教の先進国も、西洋で作られた法律を輸入して、法治国家を作っているので、必然的にキリスト教徒の一夫一妻制が善となったのだろう。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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