「欧州右翼」とプーチン政権「連携」の不気味さ

執筆者:国末憲人 2014年6月17日
エリア: ヨーロッパ
 欧州右翼に大人気           (C)AFP=時事
欧州右翼に大人気           (C)AFP=時事

 5月に投開票があった欧州議会選で、欧州統合懐疑派が大きく躍進したのは、すでに伝えられている通りである。フランスや英国では、左右の主要政党を抑えて第1党となった。欧州統合に反対する声ばかりでなく、既成政党への不満やグローバル化への恐れの意識も吸収し、支持を広げたと見られている。

 多くの国で、懐疑派の中心となっているのは右翼政党だ。その右翼の動きが、何やら怪しい。ウクライナ危機に介入し、クリミア半島を併合したことで世界からの孤立を深めるロシアのプーチン政権と、連携を強めているのである。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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