有権者の82%「議員は休暇を取るに値しない」:深まる「米議会」への不信

執筆者:足立正彦 2014年8月7日
エリア: 北米

 米議会での審議を終えて連邦議員は地元選挙区へと戻り、米議会は8月4日から9月7日まで5週間もの長期の夏季休暇に入った。今年11月4日に中間選挙の投票日を控え、上院議員100名の3分の1と下院議員435名全員が改選されることになっている。9月1日のレイバーデー明けには選挙キャンペーンが全米各地で本格化するため、9月8日に上院議員、下院議員が審議再開のために再び地元選挙区から米議会に戻ってきても、第113議会で残された審議日数は連邦議会選挙が行われない年と比較すると、極めて少なくなっている。

 現在の第113議会は昨年1月に招集されたが、第2次世界大戦後、最も法案の成立数が少ない、成果のない議会となることは避けられない状況である。バラク・オバマ大統領が第113議会で成立を図るよう議会に要請していた銃規制強化法案、包括的移民法改正法案、連邦最低賃金引き上げ法案、大統領貿易促進権限(TPA)法案などの主要法案はことごとく不成立となっており、日の目を見ないままである。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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