東アジア「合従連衡」の行方(上)「北」と「中国」の冷却

 7月3日、ソウルの青瓦台(大統領府)で行われた首脳会談を前に、中国の習近平国家主席(左)と握手する韓国の朴槿恵大統領 (C)AFP=時事
7月3日、ソウルの青瓦台(大統領府)で行われた首脳会談を前に、中国の習近平国家主席(左)と握手する韓国の朴槿恵大統領 (C)AFP=時事

 中国の習近平国家主席は7月3、4日の両日、韓国を訪問し、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。中国の最高指導者が北朝鮮を訪問せずに韓国を訪問したのは初めてだ。

 一方で、日本政府は7月3日に関係閣僚会議で、北朝鮮が拉致問題の再調査を行うことを受け独自制裁の一部解除の方針を決め、4日の閣議でこれを決定した。

 中韓の接近と、日朝の交渉進展という、従来の同盟関係や冷戦構造の枠組みでは考え難いことが同時進行している。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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