東アジア「合従連衡」の行方(下)「意見交換」した日朝外相

平井久志
執筆者:平井久志 2014年8月13日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障

対中批判は過去にも

 北朝鮮が中国をこのように批判するのはこれが初めてではない。過去にも似たような批判はしている。

 例えば、一昨年12月に北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルである人工衛星の打ち上げに成功した後、第3回目の核実験をする可能性が高まっていた時期の中朝関係では、北朝鮮によるかなり厳しい批判があった。

 北朝鮮外務省は昨年1月23日の3回目の核実験実施を示唆した声明で、「間違っているということをはっきり知りながらも、それを正す勇気や責任感もなしに誤った行動を繰り返すことこそ、自分をだまし、他人をだます臆病者の卑劣な行為」と米国に追随する「臆病者」と中国やロシアを批判した。翌24日の国防委員会声明も「世界の公正な秩序を打ち立てるうえで先頭に立つべき諸大国まで気を確かに持てず、米国の専横と強健に押さえられ守るべき初歩的な原則もためらうことなく放棄している」と中国を暗に批判した。

 この時はその後、崔龍海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長(当時)が5月22日から24日に訪中し、崔氏は習近平国家主席との会談で「関係各国と共に努力し、6カ国協議などさまざまな形式の対話と協議を通じて関連問題を適切に解決したい」と述べ、それまでの挑発路線を対話路線に転換することを表明した。さらに先述のように、昨年7月27日の朝鮮戦争の休戦協定締結60周年の慶祝行事に李源潮国家副主席が訪朝し、中朝関係の修復を内外に誇示していったんは関係修復が図られた。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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