ジャッキー・チェン息子逮捕:中国での「薬物犯罪」の考え方

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年8月21日
カテゴリ: 国際 文化・歴史 社会
エリア: 中国・台湾

 ジャッキー・チェンの息子の房祖名(ジェイシー・チャン、31)と、台湾の若手人気俳優・柯震東(クー・チェンドン、23)の2人が、大麻使用に絡んで北京市公安当局に逮捕された事件は中華社会に大きな衝撃を与えた。何しろジャッキー・チェンは映画界の世界的大物であり、中国でも全国政治協商会議の委員をつとめ、「愛国芸人」(愛国的芸能人)の代表格として長く共産党の覚えめでたい人物だった。房祖名も親の七光りもあってそこそこ俳優として活躍していた。また、柯震東は台湾映画界の新星と誰もが認める人で、日本でもヒットした映画「あの頃、君を追いかけた」で主役に抜擢されて一躍スターになった。主演の映画の公開も年末に控えており、中華圏の芸能界に与えた衝撃は限りなく大きい。

 芸能ニュースの価値は別にして、面白かったのは、今回の事件を通して、中国における薬物問題への対処や背後の思想が理解できるという点だ。

 2人の逮捕後の詳細な状況が今週火曜日、中国中央テレビの朝のニュース番組「朝聞天下」で流された。公安の捜査官が房祖名に対して自宅の隠し場所から大麻を供出させ、「これは何だ」「大麻です」「ほかにないか」「ありません」などとやり取りするところや、柯震東が涙を流して「ほんとうに私は最も愚かなことをしてしまった」と悔恨する姿を赤裸々に伝えた。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順