「英国大変動時代」の幕開けか「スコットランド」独立騒動

国末憲人
執筆者:国末憲人 2014年9月24日
エリア: ヨーロッパ
 スコットランド自治政府のサモンド首相。彼なくして独立運動はここまでこれなかった (C)EPA=時事
スコットランド自治政府のサモンド首相。彼なくして独立運動はここまでこれなかった (C)EPA=時事

 英国で「離婚」と言われると、私たちの世代はどうしても、チャールズ皇太子とダイアナ妃を思い浮かべてしまう。「独立は、一時的な別居ではない。痛みを伴う離婚だ」。スコットランドの住民投票の直前、キャメロン英首相が感極まる声でこう呼びかけるのを聞いて、パパラッチが群がった1996年「世紀の離婚劇」の場面が脳裏によみがえった。

 かの2人の場合、離婚した後もゴシップの対象となり続け、翌年のダイアナ妃の事故死を越えて余韻は今でも残っている。英国とスコットランドの離婚劇の場合、思いとどまって関係を続けることになったものの、やはり今後も長く尾を引くに違いない。

 18日の住民投票は、接戦になるだろうという直前の予想をやや裏切って、10ポイントあまりの差がついて独立が否定された。ただ、これをもって問題が片付いたとは言い難い。むしろ、もっと大きな変動の始まりかも知れない。

 

洗練された政治的潮流

 スコットランドには、独自の文化のイメージがつきまとう。タータン・キルト、バグパイプ、スコッチ・ウイスキー、スコットランド・ゲール語……。ロンドンの英国紳士のイメージとは異なる香りを醸し出している。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
逆張りの思考
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順