香港デモ:民主化運動「本土への飛び火」恐れる習近平政権

執筆者:高村悟 2014年10月3日
エリア: 中国・台湾
 鎮圧のために催涙ガスまで使われた(C)時事
鎮圧のために催涙ガスまで使われた(C)時事

 香港の民主化運動が多くのチャイナウオッチャーの予想を超えて拡大している。きっかけは2017年に予定される香港特別行政区行政長官の選挙で、立候補者を事実上中国政府が選ぶ仕組みの導入が発表されたことだ。1997年に英国から中国に返還されて以来、次第に強化される中国政府のコントロールに対し、香港市民の反発は高まっている。一方で、香港経済の中国依存はますます深まり、「中国抜きの香港」が存在し得ないという現実もある。その中でこれほどの民主化運動が盛り上がった背景には、香港の若者が、習近平政権がつくろうとする中国に従属する香港には「希望がない」と感じているからだろう。それは、同じ不満を持つ本土の若者、労働者に波及する可能性を示唆している。

 

狡猾な手段

 香港中心部の中環(セントラル)や金鐘(アドミラリティ)に集結し、行政長官の完全自由選挙化と梁振英行政長官の辞任を要求している民主化グループの中核は大学生、高校生だ。いつの時代でも政治変革を求める動きは若者が先導するが、今回の運動はティーンエイジャーが牽引した。30歳代以上の香港人は基本的に「長いものには巻かれろ」とばかりに運動から距離を置いていた。「中国にお金を儲けさせてもらっている以上、逆らえない」という実利主義でもある。

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