8月11日、中国人民銀行(中央銀行)は、人民元の実質切り下げとなる人民元と米ドルとの交換レートの基準値改定に踏み切った。21世紀に入って中国が「世界の工場」として輸出を伸ばし、貿易黒字を急激に拡大するなかでほぼ一貫してドルや円、ユーロなどに対して上昇してきた人民元の動きが方向転換し、人民元安に向かう。それは、中国経済が高度成長期をすでに終え、低成長時代に向かうことを意味するとともに、世界の企業が注目してきた中国内需の膨張も止まることを示す。世界は中国の新しい現実に対応する必要がある。

 

10年刻みの大きな節目

 1990年以降、人民元には2つの節目があった。第1の節目は、1994年1月1日に実施した為替レートの一本化だ。これは外国人がドルや円を人民元に交換する際の「公定為替レート」と、主に中国企業が外貨を調達する際に使う「調整為替レート」という「二重為替制度」を廃止し、為替レートを一本化するものだった。その際に、直前の公定レートからみて33.2%切り下げて新しい統一レートに決めた。大幅な元切り下げを行ったわけであり、それが当時の中国経済の実力水準だった。

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