8月11日、中国人民銀行(中央銀行)は、人民元の実質切り下げとなる人民元と米ドルとの交換レートの基準値改定に踏み切った。21世紀に入って中国が「世界の工場」として輸出を伸ばし、貿易黒字を急激に拡大するなかでほぼ一貫してドルや円、ユーロなどに対して上昇してきた人民元の動きが方向転換し、人民元安に向かう。それは、中国経済が高度成長期をすでに終え、低成長時代に向かうことを意味するとともに、世界の企業が注目してきた中国内需の膨張も止まることを示す。世界は中国の新しい現実に対応する必要がある。

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