上海、深圳の両株式市場の6月中旬以降の暴落は、中国政府のなりふり構わぬ株価対策で、とりあえずは収まった。だが、中国経済の先行きに対する不安感は、習近平政権の市場経済の原則を無視した強権的な対策によってかえって高まった。中国経済が1980年代以来の高成長の果てに大きな負の遺産を抱え、壁にぶつかっていることを株式市場の動揺がはっきりと示したからだ。中央政府、地方政府、国有企業の巨額負債、製造業の過剰生産能力と国際競争力の低下、そして中流層にのしかかる不動産、株式の損失、家計債務の膨張などである。中国経済は無理に無理を重ねた高成長のツケを支払う時期が到来している。
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