2015年は「歴史戦」の年:「中韓露三国干渉」も

名越健郎
執筆者:名越健郎 2014年12月10日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障

 第2次世界大戦終結70周年、日韓国交正常化50周年の2015年は「歴史の衝突」の年となる。中露は既に、来年の戦勝70周年を共同で祝うことを決めており、これに韓国が乗れば、日本に対する歴史包囲網が構築されかねない。さらに進めば、日本との領土問題で3国が結束する悪夢の「三国干渉」が起きる可能性もある。日本外交が「歴史戦」への対抗策をほとんど検討していないことが気がかりだ。

 

対独歴史問題の封印解除も

 プーチン大統領は11月6日、訪中を前に中国メディアと会見し、70周年式典について、「15年5月9日に大祖国戦争勝利70周年式典をモスクワで開き、9月3日に大戦終結と中国人民の勝利を祝う式典が北京で開かれる。中露はこれらの式典を共同で祝賀する」と述べた。両国の式典に首脳が相互参列するとみられる。

 プーチン大統領は今年7月12日ベルゴロド州で、同州の勝利70周年式典に参加し、「15年の70周年式典は過去最大規模で実施し、多くの内容を盛り込むべきだ」と述べ、準備作業を監督する運営委員会の設立を命じた。プーチン政権は5年ごとの節目の年に式典を大々的に行うが、男性寿命の短いロシアでは、来年は参戦した退役軍人が参加できる事実上最後の節目の式典となる。ロシアは昨年から今年にかけ、スターリングラード戦、クルスクの戦い、レニングラード包囲戦などの勝利70周年を祝っており、来年5月を集大成と位置付けている。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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