ギリシャ現地レポート:「破綻国家」を救うのは「EU」か「中国」か

木村正人
執筆者:木村正人 2015年1月30日
 総選挙中、熱弁をふるうチプラス氏(筆者撮影)
総選挙中、熱弁をふるうチプラス氏(筆者撮影)

[アテネ発]1月25日に投開票が行われたギリシャ総選挙では、反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)が過半数に迫る勝利を収め、チプラス党首(40)が首相に就任した。欧州連合(EU)による財政再建と構造改革の見直しを求めるチプラス首相は保守政党と「反緊縮」で予想外の連立を組み、EUとの交渉役に反緊縮の最強硬派を充てたため、交渉の難航が予想される。その一方で、人種差別反対を訴えるラッパーが殺害された事件に関連して党首が逮捕された極右政党「黄金の夜明け党」が議会第3党に。ギリシャは再生できるのか、それとも西洋型の資本主義と民主主義は限界に達したのか。現地を1週間近く歩いた。

 

医療サービスも低下

 マーサ・スタサートゥンさん(26)の瞳はやり切れない悲しみをたたえていた。父、ハーディスさん(62)が1月中旬、2度目の心臓発作を起こして急死したのだ。公立病院を退院した翌日だった。父はカーエンジニアとして働き30年間、社会保険に加入してきた。しかし、世界金融危機に続く欧州債務危機で失業し、猶予期間の1年が過ぎたあと無保険者になった。無保険者の医療費は原則として全額自己負担だ。

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執筆者プロフィール
木村正人
木村正人 1961年大阪府生れ。84年京都大学法学部卒業後、産経新聞社に入社。大阪府警・司法キャップなど、大阪社会部で16年間事件記者を務める。2002-03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員、07年からロンドン支局長。12年7月独立し、ロンドンを拠点に活動するフリージャーナリストに。日本国憲法の改正問題(元慶応大学大学院非常勤講師=憲法)や日英両国の政治問題、国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。公式サイト「木村正人のロンドンでつぶやいたろう」 http://kimumasa2012london.blog.fc2.com/
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