インダストリー4.0:ドイツ発「モノづくり標準化」の現場から

執筆者:木村正人 2015年4月23日
エリア: ヨーロッパ
モノづくりの巨人シーメンスのブース。インダストリー4.0の未来感を派手に演出した(筆者撮影)

[ドイツ・ハノーバー発]モノづくりの巨人、シーメンス(本社・ミュンヘン)が雄叫びを上げていた。「誰が世界ナンバー・ワンのチームだ」「チーム・シーメンスだ」。社員のアドレナリンは朝から全開だった。4月中旬、ドイツで開かれた産業見本市「ハノーバー・メッセ2015」。日本のモノづくりを支える大企業、中小・零細のエンジニアも大挙してやってきた。ドイツの産官学が総力を注ぐ国家プロジェクト「インダストリー4.0(第4次産業革命)」がようやくその全容を見せ始めたからだ。開発・生産工程、サプライチェーンをすべてインターネットでつなぎ、人間の手を介さず自律的に進化するドイツ型スマート工場を世界中に展開しようという壮大な構想だ。シーメンスと欧州最大のソフトウェア会社SAPが原動力になっている。半導体、携帯電話、液晶テレビで敗退した日本のモノづくりにとって、食うか食われるかの、新たな戦いが始まった。

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