「株高」の正体はただの「官制相場」:「GPIF」改革見送りの問題点

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2015年2月24日
エリア: 日本

 東京株式市場で2月23日、日経平均株価の終値が1万8466円を付け、2000年4月以来14年10カ月ぶりの高値を付けた。「円安による日本企業の好業績を背景に、海外投資家が買っている」といった解説が新聞・テレビを通じて一斉に流れた。それが事実ならば、アベノミクスの成功を見越した海外投資家が積極的に買っているということになる。これは本当なのだろうか。

 

買い本尊は「年金資金」

 実は、統計で判明している年明けから2月13日までの間、海外投資家は買っていない。東京証券取引所が発表している投資部門別売買動向によると、逆に1兆1138億円を売り越しているのだ。年初から2月20日まで、日経平均株価は約1000円上昇しているが、少なくとも13日までの600円分の上昇には海外投資家は寄与していないのである。

 ではいったい、誰が今の株高を支えているのか。個人投資家は1月は買い越したものの、2月に入って大幅に売り越しており、2月13日までの累計では1851億円の売り越し。個人も買っていないのだ。

 この間せっせと買っていたのは、「信託銀行」部門である。7037億円の買い越しだった。このほか、事業会社の買い越しなどもあるが、圧倒的に信託銀行が目立つ。背後には年金資金があると見られる。年金基金などが株式運用をする場合、運用委託先が信託銀行などを通じて売買するため、投資主体は信託銀行ということになるのだ。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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