ラトビア「金融危機克服」は本物か

執筆者:木村正人 2012年9月26日
エリア: ヨーロッパ

[リガ発]2008年の世界金融危機後、緊縮財政や賃金カットで競争力を回復させ、昨年と今年前半、5%台半ばの経済成長を取り戻したバルト三国の1つ、ラトビアの首都・リガを訪ねた。債務危機に苦しむ欧州連合(EU)の優等生と称賛され、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事も「財政危機国はラトビアから学ぶべきだ」と持ち上げた。しかし、実際には若者を中心に人口の1割に当たる約20万人が国外に脱出。債務危機を乗り切った「成功例」という評価は微妙なところだ。ソ連に占領され、約8万人がシベリアに送られた歴史の悪夢を飲み込んで、ラトビアは対ロシア・ビジネスに国家再生の活路を見出そうとしていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
木村正人(きむらまさと) 1961年大阪府生れ。84年京都大学法学部卒業後、産経新聞社に入社。大阪府警・司法キャップなど、大阪社会部で16年間事件記者を務める。2002-03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員、07年からロンドン支局長。12年7月独立し、ロンドンを拠点に活動するフリージャーナリストに。日本国憲法の改正問題(元慶応大学大学院非常勤講師=憲法)や日英両国の政治問題、国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。公式サイト「木村正人のロンドンでつぶやいたろう」 http://kimumasa2012london.blog.fc2.com/
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