「燃料補助金」は廃止したが……続く「ジョコウィ政権」の苦悩

執筆者:川村晃一 2015年3月23日
エリア: アジア

 昨年10月20日にインドネシアの新大統領ジョコ・ウィドド(通称、ジョコウィ)が政権を発足させてから5カ月がたとうとしている。そして昨日(3月22日)から4日間の日程で、初来日中だ。ジョコウィ大統領には、史上初の庶民出身大統領として、エリート中心の利権政治から脱却し、真に国民生活のためになる政策を実行してほしいという大きな期待がかけられている。しかし、中央政界での経験のないジョコウィが、大国インドネシアの舵取りをすることは容易ではない。政権発足当初は、とくに経済政策面で実行力のあるところを見せたジョコウィであるが、政権発足100日前後から、政治面では政権基盤の弱さを露呈するような事態が続いている。

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執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 海外調査員(インドネシア・ジャカルタ)。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。2024年からインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)客員研究員。主な著作に、『教養の東南アジア現代史』(ミネルヴァ書房、共編著)、『2019年インドネシアの選挙-深まる社会の分断とジョコウィの再選』(アジア経済研究所、編著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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