モディ政権「1周年」の勤務評定

 5月26日に発足1周年を迎えたインドのモディ政権は、当初、若者ら有権者の熱狂的な支持に推され鳴り物入りで登場した一方で、マクロ経済バランスの崩壊や汚職の蔓延、対外信用の失墜などでマイナスからのスタートを強いられた。この1年間では人々の過剰とも言える期待にすべて応えたとは到底言えず、内外企業などからは不満の声も聞こえてくる。しかし、モディ首相率いるインド政府は短期的な人気取りやバラマキに背を向け、地味だが中・長期的には経済成長に結びつく政策を次々と打ち出している。国際原油価格の下落という予期せぬ「神風」にも助けられたが、インフレの抑制や経常収支の改善には一定の成果を上げ、インド向け直接投資も大きく増加している。

 

マクロバランスは大きく改善

 原油価格の下落に加え、政府備蓄穀物の放出や農産物買い入れ価格の据え置き、物価安定基金の創設、そして軽油の補助金削減などの自助努力によって、モディ政権はインフレの抑制や財政赤字の圧縮には一応の目処をつけたと言っていいだろう。2013年から14年にかけて年率10%を超えていた消費者物価指数(CPI)上昇率は、2015年4月に5%を下回った。2014年度の財政赤字も、GDP(国内総生産)比4.1%以内という当初目標を達成できそうだ。

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