モディ政権「1周年」の勤務評定

執筆者:緒方麻也 2015年6月2日
タグ: インド 日本
エリア: アジア

 5月26日に発足1周年を迎えたインドのモディ政権は、当初、若者ら有権者の熱狂的な支持に推され鳴り物入りで登場した一方で、マクロ経済バランスの崩壊や汚職の蔓延、対外信用の失墜などでマイナスからのスタートを強いられた。この1年間では人々の過剰とも言える期待にすべて応えたとは到底言えず、内外企業などからは不満の声も聞こえてくる。しかし、モディ首相率いるインド政府は短期的な人気取りやバラマキに背を向け、地味だが中・長期的には経済成長に結びつく政策を次々と打ち出している。国際原油価格の下落という予期せぬ「神風」にも助けられたが、インフレの抑制や経常収支の改善には一定の成果を上げ、インド向け直接投資も大きく増加している。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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