台湾にとっての「抗日勝利70年」の意味

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2015年7月8日
エリア: 中国・台湾 日本

 戦後70年を迎える今年は、世界遺産登録をめぐる韓国との対立でも分かるように、「歴史」と「外交」が絡み合って摩擦を起こす場面が増え始めている。これから今年後半は、安倍談話や中国の抗日イベントなどの火種が多く、同じような局面に我々日本人は何度も直面するはずである。

 この問題について、中韓の関係ばかりが強調されがちだが、台湾もまた、まぎれもなく日本の近代史における「負の歴史」の欠かせない一部であり、歴史問題のなかで台湾のことを忘却してしまうのは望ましくない。

 7月4日、台湾で、事実上「抗日戦争勝利70周年」を記念した軍事パレードが北部・新竹県の陸軍基地で行われた。純粋な軍事パレードになるのか、あるいは、抗日を打ち出したパレードになるのか、台湾側も揺れたとされる。結果的には「『抗日』の色合いが濃くなり、日本側とも微妙な不協和音が生じた」(産経新聞)と言われている。

 

2つの「小さな摩擦」

 この問題には、伏線があった。台湾の国防部は、「70年」を記念するため、日中戦争で国民党軍を支援した米航空義勇隊「フライング・タイガース」の塗装を現在使用されているIDFという国産戦闘機に施したのだが、操縦席の脇には「撃墜数」を表す日章旗が描かれた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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