饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(207)

「洞爺湖サミット」を反面教師にすべき「伊勢志摩」のおもてなし

西川恵
執筆者:西川恵 2015年8月17日

 来年、日本が議長国となって三重県志摩市賢島で開かれる先進国首脳会議(G7サミット)。食から外交を見るのをテーマにしてきたこともあって、関係者から「どのようなもてなしをしたらいいでしょう」と聞かれることがある。これに対する私の答えは「豪華さや品数に拘らず、吟味された食材で内容を重視した質実な料理を。それを外国のワインでなく、日本酒と日本ワインで」というものだ。

 G8サミットは昨年、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合したことの制裁の一環でロシアをメンバー国から排除し、G7となった。このため議長国だったロシアがソチで開くことになっていたサミットは、急遽、ブリュッセルに変更。そして今年は6月にドイツ南部のエルマウで開催された。

 

「洞爺湖」のメニューは……

 G7サミットのもてなしを考える時、まず押さえておくべきは1泊2日の実務的な会議であることだ。食事会は初日夜がメインとなるが、あくまでワーキングディナーである。仕事をしながらの食事であり、議論に主目的があり、食事は従だ。

 かつてG8サミットは2泊3日の日程で、初日の夜は仕事抜きで、ファーストレディー同伴の社交夕食会に充てられた。ゆったりと食事と歓談を楽しみながら首脳夫妻同士の交流を図った。G8サミットで社交夕食会がもたれた最後は、前回、日本が議長国となった2008年の洞爺湖サミット。この時のメニューがどんなものであったか見てみよう。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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