饗宴外交の舞台裏 (207)

「洞爺湖サミット」を反面教師にすべき「伊勢志摩」のおもてなし

 来年、日本が議長国となって三重県志摩市賢島で開かれる先進国首脳会議(G7サミット)。食から外交を見るのをテーマにしてきたこともあって、関係者から「どのようなもてなしをしたらいいでしょう」と聞かれることがある。これに対する私の答えは「豪華さや品数に拘らず、吟味された食材で内容を重視した質実な料理を。それを外国のワインでなく、日本酒と日本ワインで」というものだ。

 G8サミットは昨年、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合したことの制裁の一環でロシアをメンバー国から排除し、G7となった。このため議長国だったロシアがソチで開くことになっていたサミットは、急遽、ブリュッセルに変更。そして今年は6月にドイツ南部のエルマウで開催された。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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